『おしくら・まんじゅう』

「だるまさんが」シリーズで有名な、かがくいひろしさんの作品です。「1歳児が声を上げて笑うよ」と勧められただるまさんシリーズはうちの子達には不発で。多分普段から絵本を読み慣れていたあの子達には短すぎたのかもしれません。「もう終わり??」と怪訝な顔で見られたので。この作品は長さも内容も双子の感性にぴったりはまったみたいで、本当に1歳児はケラケラ笑っていました。

 

ブロンズ新社(2009)

作 かがくいひろし

私的推奨年齢 1歳~

絵のタッチ ゆるきゃら

パステル画のような優しいタッチで描かれるおまんじゅう達は手足が短くて目がクリクリでゆるキャラのよう。表情やしぐさが本当に可愛いです。

ストーリー 可愛い紅白まんじゅうが色々なものとおしくらまんじゅうする話

こんにゃく・納豆・ゆうれい…。可愛い紅白まんじゅうが、色々なものとおしくらまんじゅうしていきます。「納豆とおしくらまんじゅうするとどうなるの!?」と先を予想しながらページをめくるのが楽しい絵本です。擬音語が多くて、オノマトペ大好き芸人である次男・あんちゃんは本当にげらげら声を上げて笑っていました。1~2歳児にはオノマトペと単純な繰り返しが強い。1歳児だと納豆は知っているけどこんにゃくは知らない子が多いですよね?そもそもイマドキの子はおしくらまんじゅうなんて知らないまま育つ子が多いと思うのですが、そんなことしらなくても楽しく読める絵本だと思います。

姉妹作『おふとんかけたら』も可愛くてオススメ!

 


 


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『パパ、お月さまとって!』

絵本って大体ママと子どもの世界なんですよ。パパが主役級の活躍をする絵本って、これくらいしかないんじゃないかな?ぜひパパに読み聞かせしてほしい1冊ですね(^^♪

 

偕成社(1986)

作 エリック・カール 訳 もりひさし

私的推奨年齢 2歳~

絵のタッチ 「世界の子どもの絵展」でみたことがある感じ

日本の絵本とは一味違うダイナミックな筆遣いと鮮やかな(でもくどくない)色使いはインパクト大です。でもなによりインパクトがあるのは、絵が縦に横に、2倍4倍の大きさに広がることです。パパが長いはしごを担ぐシーンでははしごの長さを強調するように左右にページが広がって、見開き4ページに。パパがお月さまにたどり着いたシーンでは折りたたまれた絵ががばっと広がって、お月さまの大きさを表現しています。私は仕掛け絵本はあんまり好きではないけど、これは夢が広がっていいですね。ただ、広がる部分はとっても破損しやすくて、何度も何度も絵本修復テープで補修する羽目になるところが難点w

ストーリー 娘のためならどこまでも頑張るパパの冒険物語

「パパお月さまとって」と娘に頼まれたパパは、はしごを上ってお月さまを取に行きます。満月は大きすぎて持ち帰れないけれど、半分くらいになったら小脇に抱えて娘のもとへ持って帰れる。そんなバカな!と薄汚れた大人である私は思うけれど、うちの双子は目をキラキラさせて聞いていました。娘は大喜びしてお月さまと遊ぶけれど、お月さまはだんだん小さくなっていき、やがてきえてしまいます。けれどしばらくすると、お月さまはまたお空に輝いていました。

うちの子達はこの本が大好きで、2歳のころは月を見るたびに「パパ取って!」と言っていました。「まずは長いはしごを探さないとね?」「パパ太ってるからはしご登れないかもよ?」「じぃじに行ってもらう?」なんてことを言いあった思い出があります。そんな可愛かった双子も4歳となり、「お月さまは地球より小さいけど、とっても大きいんだよね?」「ロケットがないと行けないんだよね?」なんて言うようになったんだから、子どもの成長って早い。今でもお話として楽しく読んでますけど、子どもの月に関する知識はこの2年ほどで劇的に変化しています。同じ絵本を読んでいても、成長に伴って目をつけるところや感じ方が変わってくる。そうやって成長を感じられるので、やはり気に入った絵本は購入して繰り返し繰り返し読んでいくのがいいですね。

 


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『14ひきのおつきみ』

こんな真冬にお月見の話とは季節外れな気もしますが、楽しかった夏や秋の思い出を振り返って「来年はどうしようか?」とお話するのも良いものですよね(^^♪

 

童心社(1988)

作 いわむらかずお

私的推奨年齢 3歳~

絵のタッチ 加賀友禅のように写実的

いわむらかずおさんの絵は本当に写実的で、葉っぱの虫食いや変色まで描いています。でもただ写真のように丸写しにしている感じではなくて絵として調和がとれていて美しくて、そういうところが本当に加賀友禅のようだなぁと思います。特にこの「14ひきのおつきみ」は夕方からだんだん夜が深まっていく描写や、ドーンと大きく描かれた月のインパクトが素晴らしくて、数ある14匹シリーズの中でもイチオシです。

ストーリー 14ひきのねずみたちが協力してお月見をするお話

 ねずみの家族のこどもだけで木に登って何やら作っています。お月見おするための展望台でした。日が沈むころ、大人たちも上ってきて、森のきのみを備え、お月見が始まります。ストーリーの広がりは特にないのですが、「森が燃えてる」「夜がだんだん広がっていく」といった美しい比喩表現を美しい絵とともに味わうのがいいんです。14ひきシリーズ全体に言えることなんですけど、ねずみさんたちの自然の恵みを生かした素朴で豊かな暮らしぶりはむしろおしゃれ!真似したくなります。

 


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『とうだい』

2016年初版の新しい絵本。色々な人にオススメしたくて、本屋で見かける度に目立つところに置き直していますw

福音館(2016)
文 斎藤 倫 絵 小池アミイゴ

私的推奨年齢 3歳〜

絵のタッチ 印象派、特にモネっぽい
海の描写がとにかくキレイでいきいきしていて、印象派の絵画を見ているようです。柔らかい色彩で、子どもたちと「きれいだね〜!」といいながら見ています。

ストーリー あどけない灯台の成長物語であり、大人にとっては哲学書のように深い物語
岬に建てられた灯台は、いつも海を眺めています。やがて渡り鳥がやってきて、灯台は遠い国の話をたくさん聞きます。灯台にとっては楽しい時間。けれど春が来て渡り鳥は去り、灯台はどこにも行けない自分に気がつきます。けれど嵐がやってきたとき、灯台は自分が光る意味を見つけます。
子ども達にとっては、可愛い灯台さんが友達と出会ったり嵐を乗り越えたりして成長していく物語。大人にとっては、自分らしさとは?自分の役割とは?などなど、色々なことを考えさせられる哲学書のような絵本です。私は都会生活に憧れながらも双子育児のため実家近くに戻って以来すっかり田舎から離れられない自分を重ねて、少し励まされました。自由でなくても、自分らしくあることはできるな、って。
作者の斎藤倫さんは詩人だそうで、この絵本の文は声に出して読んでいてとても気持ちいいです。
大人にこそオススメしたい一冊です。ぐりとぐらのようなロングセラーになってほしいな。


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『ねずみさんのながいパン』

まるで趣味が違う我が家の双子が2人とも好きなもの、それはパンと動物です(大体の幼児が好きともいう)。パンと動物が出てくるお話。

 

こぐま社(2000)

作・絵 多田ヒロシ

私的推奨年齢 2歳~

絵のタッチ 味わい深い職人の4コマっぽい

擬人化された動物たちが表情豊かで、なんとも味わい深いです。色もパステルカラー主体で可愛らしい。

ストーリー 「ねずみさん、ながいパンもってどこいくのかな。このうちかな」という語感のいい語りにのせて、いろいろな動物の食卓が描かれていきます。動物たちは見るからにその動物がすんでいそうな家に住んでいるし、草食動物はちゃんと草食っぽいものを、肉食動物は肉類を食べています。で、ねずみさんがとっとことっとこ走ってたどり着いたのは大勢の家族が待つ自分のおうちでした。大家族で囲むねずみさんの食卓の様子も可愛らしいです。子どもたちは動物の子どもたちの中でどの子がお兄さんなのか、ねずみの食卓に空席があるのはなぜなのか、そんなことを二人で話し合いながら聞いています。因みにながいパンを抱えて走っていたのはねずみのお母さんなのですが、うちの母は「ねずみの体長の数倍もあるこんな重いものを奥さんに持たせて家で待ってるなんて、なんていう夫かしら!」とねずみ父を責めていました。私はまったく気にしていなかったので、同じ絵本でも読み手によって色々な視点があって面白いと思いました。

やっぱり2歳くらいまでは同じ言葉の繰り返しで進んでいく物語が好きですね。多田ヒロシさんの本は絵も味わいがあって力強いし、繰り返しを多用した読みも心地よいので他にも何冊か持っていて、特に子供たちが2歳くらいの時によく読んでいました。4歳になった今でもたまに読むと面白いらしく、あれこれお話しながら聞いています。

 


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『どんどこももんちゃん』

0歳から読んでいた双子のファースト絵本のひとつです。

「いないいないばあ」と並んで、0歳代絵本の双璧でしたね。

絵本マニアな従姉が「うちの子が赤ちゃんの時大好きだったから」と出産祝いに贈ってくれた絵本の中の1冊でした。

 

童心社(2001)

作・絵 とよたかずひこ

私的推奨年齢 2か月~

絵のタッチ シンプル

少ない線と濃すぎないけれどはっきりした色で描かれています。赤ちゃんってあまり目がよくないからもっとビビットな色あいの絵本が好きなのかな、この絵の色合いだとちょっと赤ちゃんには弱いんじゃないかな、と思ってたんですが、うちの子達にはむしろちょうどよかったみたいです。

ストーリー オノマトペで綴る赤ちゃんの大冒険

「ももんちゃんは急いでいます」のフレーズと「どんどこどんどこ」「どどどどど」といった擬音語(擬態語?)の繰り返しでお話が進んでいきます。坂をのぼり橋をわたり、熊を押しのけ、急いで急いで向かった先にはママが待っていました。

「何で赤ちゃんがひとり旅しとんねん!」というツッコミは置いておいて、とにかく「どんどこどんどこ」の音の繰り返しが楽しい絵本で、0歳の双子を両脇に寝かせて読んであげると、ふたりとも集中して聞いていました。少し月齢がすすんでくると、指さしたり声を出して喜んだり。

今でも次男・あんちゃんはオノマトペ星人ですが、原点はこの絵本にあるのかなw

 


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『ピン・ポン・バス』

次男あんちゃんはとにかくバスが好き。

ママ・まんま・わんわんの次に覚えた言葉が「バス」でした。

パパとじぃじは今でもこのことを根に持っているフシがありますw

そんなあんちゃんが愛して止まない絵本が『ピン・ポン・バス』です。

 

偕成社(1996年)

作 竹下文子  絵 鈴木まもる

私的推奨年齢 3歳~

絵のタッチ とにかく親しみやすい

色づかいも筆づかいもとにかく優しくて親しみやすいです。漫画的過ぎず、おしゃれ過ぎず、奇抜過ぎず。

ストーリー 優しい目線で描くある運転士の日常

 駅前を出発したバスはスーパー・学校・病院など、色々なバス停に止まって色々な人を乗せながら段々郊外に向かっていきます。それだけです。

でもその一見単調なお話の中に、運転手さんや乗り降りする人・バスルート沿いで暮らす人の優しさや生活感が描かれていて、とても温かい気持ちになれるお話です。

この生活感があるというところがこの絵本の最大の魅力かな、と思います。

乗り物が出てくる絵本ってとても多いんですけど、無機質な印象を受けるものが多いんですよね。そうでなければ子どもが乗り物に乗って遠くに行く冒険物語仕立ての作品が多い。

日常の中身近にある乗り物が身近な存在のまま描かれていて、それでいて楽しめるお話に仕上がっているところが本当にすごいと思います。

因みにこの絵本の舞台は八王子がモデルらしいのですが、8年ほど前に八王子で働いていた夫に見せたところ、「八王子はこんなに田舎じゃないよ~?」と言っていましたwもっと昔の八王子周辺を知っている方なら、「あ、わかる!」と思うところがあるのかもしれませんね~。

 

竹下文子さん・鈴木まもるさんコンビの絵本は名作が多くて、うちの双子はこちらの2作も大好きです↓


 

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