『14ひきのおつきみ』

こんな真冬にお月見の話とは季節外れな気もしますが、楽しかった夏や秋の思い出を振り返って「来年はどうしようか?」とお話するのも良いものですよね(^^♪

 

童心社(1988)

作 いわむらかずお

私的推奨年齢 3歳~

絵のタッチ 加賀友禅のように写実的

いわむらかずおさんの絵は本当に写実的で、葉っぱの虫食いや変色まで描いています。でもただ写真のように丸写しにしている感じではなくて絵として調和がとれていて美しくて、そういうところが本当に加賀友禅のようだなぁと思います。特にこの「14ひきのおつきみ」は夕方からだんだん夜が深まっていく描写や、ドーンと大きく描かれた月のインパクトが素晴らしくて、数ある14匹シリーズの中でもイチオシです。

ストーリー 14ひきのねずみたちが協力してお月見をするお話

 ねずみの家族のこどもだけで木に登って何やら作っています。お月見おするための展望台でした。日が沈むころ、大人たちも上ってきて、森のきのみを備え、お月見が始まります。ストーリーの広がりは特にないのですが、「森が燃えてる」「夜がだんだん広がっていく」といった美しい比喩表現を美しい絵とともに味わうのがいいんです。14ひきシリーズ全体に言えることなんですけど、ねずみさんたちの自然の恵みを生かした素朴で豊かな暮らしぶりはむしろおしゃれ!真似したくなります。

 


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