『ねないこだれだ』
図書館や育児支援センターなどでもよく見かける定番中の定番。ちょっと説教臭いお話ではあるけれど、オススメしたい理由がある大好きな絵本です。
福音館(1969)
作・絵 せな けいこ
私的推奨年齢 1歳~
絵のタッチ 紙の風合いが優しい
せなけいこさんの絵は紙を切ったり千切ったりして描かれているんですよね。動物の毛並みのもじゃもじゃ感やおばけの輪郭の曖昧さが紙を千切ったその風合いで表現されていて面白いです。
ストーリー 夜中に起きているとどうなるのかな、というお話。
夜中に起きているのは、ねずみ・ねこ・どろぼう、それからおばけ。夜中(といっても午後9時)に遊んでいたルルちゃんは、おばけにされておばけの世界に連れていかれてしまいます。
せなけいこさんのこのシリーズ(いやだいやだの絵本・あーんあーんの絵本)は、こどもに「ママの言うことを聞きましょう」「好き嫌いなく食べましょう」など、しつけ的なメッセージが込められているものが多いです。この「ねないこだれだ」も、「夜は早く寝ましょう」という明確なメッセージが込められていて、ちょっと説教臭い感じがします。でもね?でもね?「夜中に遊ぶとおばけが来るよ」「いい子にしないと鬼が来るよ」っていうのは世界各国で大昔から採用されている伝統的な教育法なので、伝統にのっとって子育てしてみるのもいいかな、と思うんです。子どもの寝かしつけで悩んでいた時に「赤ちゃんを海苔巻きのようにきゅっと巻くとよく寝る。これはかつて世界中で行われていた寝かしつけ方」っていうのもNHKで見て、騙されたと思ってやってみたら本当によく寝たんですよ。現代人の感覚だとちょっとかわいそうな気もするけど、大昔の人が経験的にやっていたことって、バカにできないなと思いましたね。それに、日本人なら誰もが「おばけと言えば白っぽくて足がなくて、手をだらんと下げていて…」と共通のイメージを持っていると思うんですけど、こどもに日本人なら知っておきたい「ベタなおばけ」のイメージを教えられるという点でも、この絵本はいいな、と思います。
双子が1歳の頃はよく、タオルケットを頭からかぶっておばけごっこをしていました。今はもう少し進化したおばけごっこを楽しんでいます。カーテンが風でゆれていると「おばけじゃない!?」なんて自分で言い出しておいて、だんだん怖くなって顔がこわばってたり。「おばけは足がないから、子どもの可愛い足が欲しいんだよ」なんて設定を自分で付け加えてたり。うちの子たちは怖がりながらもおばけが大好きなようです。身近におばけのある生活をぜひ!
↓懐かしくなったのでひざ掛けで巻かれて寝てる双子を張ってみました。