『11ぴきのねこ』

とっても人間臭いねこたちが魅力的な11ぴきシリーズの第1作です。

 

こぐま社(1967)

作 馬場のぼる

私的推奨年齢 3歳~

絵のタッチ ダイナミックな4コマ

シンプルな線で描かれたねこ達は4コマ漫画のようで親しみやすいです。でも大きな魚にとびかかるシーンなどは躍動感あふれているし、ねこたちの表情もとっても豊かで楽しい絵です。

ストーリー はらぺこのねこたちが力をあわせて大きな魚を倒す話

はらぺこのねこ達は、遠くの湖に化け物のように大きい魚が住んでいると聞き出かけて行きます。何度も何度も失敗して、最後には大きな魚をつかまえることに成功します。「持ち帰って街のみんなに見せるまでは絶対に食べない」と約束をしたねこ達でしたが、夜が明けるとみんなお腹がたぬきのように膨らんで、魚は骨だけになっていました。

11匹シリーズの魅力は人間臭すぎるねこ達のキャラクターと、勧善懲悪の型にはまらないストーリーにあると思います。欲望(主に食欲)を満たすためなら仲間で力を合わせるし、ダメって言われてることもしちゃうし、人をだますようなこともしちゃうんだけど、ちょっとドジなところがあってうまくいかなかったり、欲を出しすぎて失敗したり。いいやつとも悪いやつとも言い切れない、なんだか憎めないキャラクターが深いです。3~4歳の幼児の精神構造と近いのかもしれません。絵本の登場人物って、割といい人か悪い人かのどちらかで描かれることが多いと思うので、こういうどちらともいえないキャラクターは貴重だと思います。ストーリーも「悪者があれこれ経験して改心する」とか「ヒーローが悪者を倒す」みたいな定石にはまらず、そもそもねこ達はいい者なのか悪者なのか定まらない。失敗してもほとんど反省もしないし行いを改めたりもしない。そういうところが他の絵本にはない魅力だと思います。最近すごく優等生ぶりたがる長男ちいちゃんは「こんなことしたらダメだよね!?」とやんちゃなねこさんにご立腹気味ですがw

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