『ぐるんぱのようちえん』
次男あんちゃんはゾウさんが大好き。というか大体の幼児はゾウさんが好きですよね?今日は頑張り屋さんのゾウさんが主役の絵本を紹介します。
福音館(1966)
作 西内ミナミ 絵 堀内 誠一
私的推奨年齢 3歳~
絵のタッチ 一見小学生の描く絵のようで、とても洗練されてる
パッと見は小学生が描く絵のようで、そんなにうまいなぁって感じではないんです。でも色彩のバランスがとてもきれいだし、メインの絵とは別に文字ページに挿入されてる小さい絵のバランスがとても可愛かったりします。登場するキャラクターがみんな人形みたいに直線的に描かれてるのも独特の味わいで可愛いです。
ストーリー ひとりぼっちのゾウさんが失敗しても負けずに頑張る話
ぐるんぱはひとりぼっちで泣き虫なゾウ。そんなぐるんぱを見かねた仲間たちはぐるんぱを働きに出します。ぐるんぱはビスケットやさん、お皿やさん、くつやさんなど色々なところで働くけれど、失敗ばかりですぐに「もうけっこう!」と追い出されてしまいます。しょんぼりするぐるんぱですが、子だくさんのお母さんに子守を頼まれたことがきっかけで幼稚園を開きます。子どもたちに囲まれて、もうぐるんぱは寂しくありませんでした。
まず群れで暮らすはずのゾウがひとりぼっちな時点で不憫なのに、仲間から「もう大きいのに!」「いつもメソメソしてる!」と責められて働きに出されるなんて、さらに不憫。仕事もうまく行かずに追い出されちゃって、さらにさらに不憫です。日本人って判官びいきというか、弱いもの・可哀想なものに感情移入して応援したくなるところありますよね。そういうわけでなのか、双子もぐるんぱにとても感情移入して、眉間にしわを寄せて聞いています。でも深刻になりすぎないのは、絵が可愛いのと、お店の人の名前がビスケットやならびーさん、お皿やならさーさんと、超テキトーにつけられているような抜け感があるからでしょうか?ぐるんぱが作り出す特大サイズのビスケットやスポーツカーも子どもにとってはとても魅力的ですしね。感情をグッと引き付けられているので、子どもたちに囲まれて幸せそうなぐるんぱを見ると、読んでいる側もとても幸せな気持ちになります。
文章はけっこう長めですが、内容が親しみやすいので3歳くらいから楽しめるんじゃないかと思います。超オススメ!
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