『かいじゅうたちのいるところ』

幼い男子の双子などというものは、さながら怪獣のようなものです。。

 

冨山房(1975)

作 モーリス・センダック 訳 じんぐうてるお

私的推奨年齢 3歳~

絵のタッチ 児童文学の挿絵のような、宗教画のような

細かい線で影をつける感じがちょっと進撃の巨人のようだな、とも思うんですけどw子どもの頃読んだ外国の児童文学の挿絵はこんな感じだったような気がします。ぎょろ目の怪獣たちは動きも表情もコミカルでぶさ可愛い。

ストーリー ママに怒られた男の子が怪獣の世界へ冒険に出る話

大暴れしたマックスは夕ご飯抜きで寝室に放り込まれます。すると寝室に木が生えだして森になり、船まで流れてきます。マックスはその船に乗って後悔に出ると、やがて怪獣たちの住む島に到着します。マックスは怪獣たちの王様になって楽しくすごしますが、だんだん寂しくなってきて、家に帰ろうとします。怪獣たちを振り切って自分の部屋に帰り着くと、そこには温かいご飯が用意されていました。

家の中で暴れすぎてママに叱られる。そんな幼児なら誰でも経験したことがあるような場面から始まることで、うちの子たちはすごく親近感を感じているようです。そして「晩御飯ぬきで寝室に放り込まれる」という怖すぎるお仕置きをされたマックスに少し同情しているようでもあります。そして怪獣たちと友達になるのでも戦うのでもなく、怪獣たちの王様になるというところも、男の子ごころをくすぐるようです。自分より体も大きくて強いはずの怪獣を手なずけて肩車してもらったり。わんぱく坊主が興奮しないわけがありませんw

双子兄・ちいちゃんは「ばんごはん抜き」というフレーズがとても気に入っていて、あんちゃんが悪さをしていると「そんなことしてると晩御飯抜きだよ」とお兄さん面で怒ります。私がそういう怒り方してると思われるから、どうか外では言わないで(;´∀`)

 

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『わたしのワンピース』

長男ちいちゃんは男の子ながら可愛いものが大好きです。自分で服を選べばリボンやレースがついてるものを選びがちだし、私のネイルをみては「ちいちゃんも塗ってみたいなぁ」とつぶやきます。そんなオトメンちいちゃんが2歳くらいの頃、大好きだったお話です。

 

こぐま社(1969)

絵・文 にしまきかやこ

私的推奨年齢 1歳半~

絵のタッチ 下手可愛い

幼稚園の年長さんくらいの女の子が書きそうな絵。絵心のない私が言うのもなんですが、あまり上手いとは思えない絵なんですけど、段々癖になってくる可愛さがあります。

ストーリー 背景によって柄が変わる不思議なワンピースのお話

うさぎさんが自分でワンピースを作ります。そのワンピースはお花畑を散歩すればお花柄に、雨が降れば水玉模様になる不思議なワンピース。原っぱを散歩していたら草の実柄になって、その草の実を食べに鳥さんがやってきて小鳥柄になって空に飛びあがります。虹色・夕焼け色・星模様と、空に合わせてワンピースの柄も変わっていきます。

題材がワンピースなので女の子むけのような気もしますが、男の子でもうちのちいちゃんのように可愛いものが大好きな子もいますし、親御さんの影響で幼いうちからおしゃれに興味があるという子もいるでしょう。そんなすべてのおしゃれキッズにオススメしたい1冊です。

ちいちゃんの可愛いもの好きは、田舎町で浮かない程度に受け入れていきたいと思いますw

 

 


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『いないいないばぁあそび』

0歳向け絵本の王道中の王道。やっぱり赤ちゃんは人間の顔に一番興味を示すんですよね。双子が赤ちゃんだったころ、「どんどこももんちゃん」と並んで1番読んだ絵本です。

 

偕成社(1989)

作 木村裕一

私的推奨年齢 0歳~

絵のタッチ 親しみやすいくっきり線

太い線ではっきりと描かれ、色彩もはっきりしているので、赤ちゃんの目にも見えやすいようです。いないいないばぁを題材とした他の絵本も読みましたが、うちの子達は色彩豊かなこちらの方が反応が良かったと思います。

ストーリー 動物や怪獣、ママなどがいないいないばぁをしてくれる

ひよこ・ねこ・いぬ・ゆうちゃん・ママなど色々なキャラクターがいないいないばぁをしてくれます。単純な繰り返しですが、ママははじめブタのお面をかけていたり、ちょっとした遊び心もあります。いないいないばぁ遊びは誰でも知っているし、文がとても読みやすいので読み聞かせに慣れないじぃじもよく読んであげていました。

ねんねの頃は双子を自分の両脇に仰向けに寝かせて、腹ばいが上手になってからは3人で腹ばいの姿勢で、何度も何度も読んでいました。今はもうボロボロになってしまってしまったけれど、懐かしい思い出の1冊です。

 

 


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『11ぴきのねこ』

とっても人間臭いねこたちが魅力的な11ぴきシリーズの第1作です。

 

こぐま社(1967)

作 馬場のぼる

私的推奨年齢 3歳~

絵のタッチ ダイナミックな4コマ

シンプルな線で描かれたねこ達は4コマ漫画のようで親しみやすいです。でも大きな魚にとびかかるシーンなどは躍動感あふれているし、ねこたちの表情もとっても豊かで楽しい絵です。

ストーリー はらぺこのねこたちが力をあわせて大きな魚を倒す話

はらぺこのねこ達は、遠くの湖に化け物のように大きい魚が住んでいると聞き出かけて行きます。何度も何度も失敗して、最後には大きな魚をつかまえることに成功します。「持ち帰って街のみんなに見せるまでは絶対に食べない」と約束をしたねこ達でしたが、夜が明けるとみんなお腹がたぬきのように膨らんで、魚は骨だけになっていました。

11匹シリーズの魅力は人間臭すぎるねこ達のキャラクターと、勧善懲悪の型にはまらないストーリーにあると思います。欲望(主に食欲)を満たすためなら仲間で力を合わせるし、ダメって言われてることもしちゃうし、人をだますようなこともしちゃうんだけど、ちょっとドジなところがあってうまくいかなかったり、欲を出しすぎて失敗したり。いいやつとも悪いやつとも言い切れない、なんだか憎めないキャラクターが深いです。3~4歳の幼児の精神構造と近いのかもしれません。絵本の登場人物って、割といい人か悪い人かのどちらかで描かれることが多いと思うので、こういうどちらともいえないキャラクターは貴重だと思います。ストーリーも「悪者があれこれ経験して改心する」とか「ヒーローが悪者を倒す」みたいな定石にはまらず、そもそもねこ達はいい者なのか悪者なのか定まらない。失敗してもほとんど反省もしないし行いを改めたりもしない。そういうところが他の絵本にはない魅力だと思います。最近すごく優等生ぶりたがる長男ちいちゃんは「こんなことしたらダメだよね!?」とやんちゃなねこさんにご立腹気味ですがw

11ぴきしりーずならこちらもオススメ

 


 


 


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絵本の選び方・その2

以前の記事で「私は自分が読みたいと思う絵本を買う!」と書きました。
それ以外にもいくつか、絵本を選ぶ時に意識していることがあります。

ひとつめは、子ども達が好きなものが出てくるお話を選ぶことです。うちの場合は食べ物、動物、乗り物、おばけ、怪獣、月や星など。子ども達は虫も好きですが、私が大の虫嫌いなので除外しています。

二つめは、子どもたちの経験の振り返りになるような絵本を選ぶことです。子どもは夏に海水浴や花火、秋は木の実拾いや芋掘りなど、季節ごとに色々な初めてを経験しています。そんな経験を親子で振り返るツールとして絵本を使うのもいいな、と思います。百聞は一見にしかずの言葉通り、予習はあまり意味がないので、あくまで振り返りに読むのがポイントです。

三つめは、知育や何かを教えこむような絵本は避けることです。うちの子は言葉を話すのもトイレを覚えるのも遅かったので、以前は言葉を教えるような絵本やトイレトレーニングのための絵本を読んでいました。でも、あまり効果はありませんでした(^◇^;)内容に惹かれるものであればいいんですけどね。説教くさいお話は、子どもが2歳にもなると感じとるように思います。楽しみであるべき絵本と知育・教育は別に考えるようにしています。

そんな風に選んで集めてきた本の収納場所がそろそろ限界に近づいているので、考えないと!

『おおきなおおきなおいも』

これは私自身が子どもの頃大好きだった絵本です。私は絵本の好き嫌いが激しくて、主にお姫様が出てくるような童話が好きだったんですけど、これは非童話系絵本の中で一番好きだったと思います。やはり親子の趣味は似てくるのか、双子もお気に入りです。親子ともに食い意地が張っているだけとも言う。

 

福音館(1972)

作・絵 赤羽未吉

私的推奨年齢 3歳~

絵のタッチ おしゃれな現代アート

黒の線とお芋の色である赤紫だけで描かれている絵は凄く現代的な感じがします。1972年発行とは思えないくらい。おしゃれなカフェに飾ってありそうだし、おしゃれ雑貨にプリントされてそうです。

ストーリー 子どもたちが大きなお芋の絵を描いて、空想を広げる話

いも掘り遠足が延期になってしまった園児たちは、先生から紙をもらっておいもの絵を描きます。紙を何枚も何枚もつなげた大作です。大きなおいもをどうやって掘ろうか?どうやって幼稚園まで運ぼうか?おいもでどうやって遊ぶ?どうやって食べる?いっぱいおいもを食べたらどうなっちゃうだろう?子どもたちは様々な空想を広げていきます。子どもらしい大胆な発想が楽しい1冊です。

双子は2歳の時に家庭菜園でいも掘りを経験して以来、さつまいもが大好きです。さらに今年幼稚園でもいも掘りを経験して、ますます好きになったようです。幼稚園や保育園に行っていると、おいも掘りの経験がある子は多いですよね。楽しかった思い出を振り返りながら、普通の大きさのおいもでも掘るのが大変なおいもが特大サイズだったらどうなっちゃうの?と想像を膨らませられる、とても楽しい本だと思います。

 

 


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『ぐるんぱのようちえん』

次男あんちゃんはゾウさんが大好き。というか大体の幼児はゾウさんが好きですよね?今日は頑張り屋さんのゾウさんが主役の絵本を紹介します。

 

福音館(1966)

作 西内ミナミ  絵 堀内 誠一

私的推奨年齢 3歳~

絵のタッチ 一見小学生の描く絵のようで、とても洗練されてる

パッと見は小学生が描く絵のようで、そんなにうまいなぁって感じではないんです。でも色彩のバランスがとてもきれいだし、メインの絵とは別に文字ページに挿入されてる小さい絵のバランスがとても可愛かったりします。登場するキャラクターがみんな人形みたいに直線的に描かれてるのも独特の味わいで可愛いです。

ストーリー ひとりぼっちのゾウさんが失敗しても負けずに頑張る話

ぐるんぱはひとりぼっちで泣き虫なゾウ。そんなぐるんぱを見かねた仲間たちはぐるんぱを働きに出します。ぐるんぱはビスケットやさん、お皿やさん、くつやさんなど色々なところで働くけれど、失敗ばかりですぐに「もうけっこう!」と追い出されてしまいます。しょんぼりするぐるんぱですが、子だくさんのお母さんに子守を頼まれたことがきっかけで幼稚園を開きます。子どもたちに囲まれて、もうぐるんぱは寂しくありませんでした。

まず群れで暮らすはずのゾウがひとりぼっちな時点で不憫なのに、仲間から「もう大きいのに!」「いつもメソメソしてる!」と責められて働きに出されるなんて、さらに不憫。仕事もうまく行かずに追い出されちゃって、さらにさらに不憫です。日本人って判官びいきというか、弱いもの・可哀想なものに感情移入して応援したくなるところありますよね。そういうわけでなのか、双子もぐるんぱにとても感情移入して、眉間にしわを寄せて聞いています。でも深刻になりすぎないのは、絵が可愛いのと、お店の人の名前がビスケットやならびーさん、お皿やならさーさんと、超テキトーにつけられているような抜け感があるからでしょうか?ぐるんぱが作り出す特大サイズのビスケットやスポーツカーも子どもにとってはとても魅力的ですしね。感情をグッと引き付けられているので、子どもたちに囲まれて幸せそうなぐるんぱを見ると、読んでいる側もとても幸せな気持ちになります。

文章はけっこう長めですが、内容が親しみやすいので3歳くらいから楽しめるんじゃないかと思います。超オススメ!

 

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