『赤ちゃんとママが安眠できる魔法の育児書』
妊娠中に読んでおけばよかったと思ったのが、外国の育児書です。といのは、日本の育児書って絵やマンガが多くて文章が少ないので多忙な新生児期でも読みやすいのですが、外国の育児書は基本文章ばかりで読むのにまとまった時間と根気がいるからです。赤ちゃんのお世話に追われながらだと中々活字たっぷりの本は読む気がしないですよね。でも外国の、特にカリスマナニー(ベビーシッター)と言われる人たちが書いている本は学ぶべき点が多いのです。
↓私が特に印象に残ってるのはこの本
著 トレイシー・ホッグ
イースト・プレス(2002)
タイトルに「安眠」と入っていますが、内容は赤ちゃんの寝かしつけの問題にとどまらず、ママの産後の身体・精神面の変化について、夫婦の問題、双子や未熟児などへの対応などにも触れられていて、多岐に及んでいます。
日本とは生活習慣が違うのでそのまま取り入れられない点もありますが、勉強になった点も多数あります。
まず第一に、「抱きぐせ」に対する考え方です。
今日本では「抱きぐせなんてない、とにかくいっぱい抱っこしてあげましょう」という育児法が主流だと思います。でも赤ちゃんを抱っこしまくった結果、1歳になっても抱っこしないと寝ない、ベビーカーも嫌がって乗ってくれない、腰が痛いと悩むママさんはとても多いですよね。「抱きぐせ」という言葉に対する嫌悪感から過剰な反応をしている人が多いのではないでしょうか?この本では、赤ちゃんにベビーベッドが安心できる場所だと教えてあげることが大切だと説いています。泣いている赤ちゃんを放置するわけでも、抱っこし続けるわけでもなく、なぜ泣いているかを理解し、適切に対処することで、赤ちゃんは抱っこされていなくても心穏やかに過ごすことができると言い切りっています。言われてみるとなるほど~と思うことばかりで、とても参考になりました。
そして二点目が「行き当たりばったりの育児」の否定です。
この本ではお昼寝や夜の入眠の時はもちろん、授乳や離乳食・入浴の時間な一定にした方がよいと説いています。もちろん生活リズムを決めるのは親の都合だけではなく赤ちゃんをよく観察して「この子は何時ごろ眠くなってぐずるから何時からお昼寝の時間、だからその○○分前に入浴」といったように、子どものリズムも大切にしています。
大人にとってもいつ何が起こるのかわからない生活は不安なもの。赤ちゃんも同じで、「今お風呂に入ったから次はミルク」など、予想がつくほうが安心で落ち着いて過ごせるという理屈は分かりやすいです。日本の育児書では「赤ちゃんのリズムに合わせてあげて、無理に生活リズムを整えようとしなくてもそのうち整うからおっけー!」「入浴の時間が朝になったり夕方になったりしても別に良い。できるときにできることを」みたいなものも多いのですが、私は自分自身がサプライズ嫌いのスケジュールちゃんなので、この説はとても気に入って実践してきました。結果、あまりぐずらないし、早寝早起きが自然に身についたし、よく食べる(好き嫌いは多いけど)子に育ったので良かったかなと思います。
日本の育児書が悪いとか参考にならないというわけではないんですけど、日本の育児書はお母さんを頑張らせすぎる傾向があると思います。外国のナニーさん達が書いているものはちょっと日本とは違う考え方を知れるいい機会なので、妊娠中の時間があるうちに一読しておくといいと思います。
こちらも一緒に読むとより勉強になります。
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『ノンタンバースデイブック』
私が子どもの頃、どうしても欲しくてねだって買ってもらった本です。
子どもたちにもプレゼントしたくて、2歳の誕生日に1冊ずつ贈りました。
偕成社(1987)
作・絵 キヨノ サチコ
私的推奨年齢 3歳~
絵のタッチ ノンタンの絵
おなじみのノンタンの絵です。黒い線による縁取り、黄色やピンク・赤が多めの鮮やかな色彩で子供たちにも見やすい絵です。
ストーリー 不思議なたまごを追いかけるお話
ノンタンからのお誕生日プレゼントである不思議なたまごに足が生えて、逃げ出しました。そのたまごを追いかけていく過程に、子どもの身長や体重・手形・好きな食べ物・絵・親からのメッセージなどを書き込むことができ、その時の子どもの姿を記念に残すことができます。ノンタンがやっとたまごをつかまえると、たまごが割れて中からキラキラぼしが生まれました。そのお星さまは、いつも見守っていてくれるよ、というメッセージで終わります。
うちの子たちには2歳の誕生日に贈ったんですけど、2歳といえばまだまだ訳が分からないお年頃で、貼ったステッカーや写真、手形を全部ビリビリと剥がされてしまいました。しかも笑顔で、楽しそうに( ;∀;)「大きくなったら何になるの?」などの質問も、言葉が遅めだったうちの子たちには、2歳の時点では理解が難しかったようです。全体としては内容的にも長さ的にもそんなに難しくはないけれど、親子で楽しく会話しながら記入していこう、きれいな状態で保存しようとするなら、3歳のバースデイがベストかなぁという気がします。
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『どこいったん』
関西弁の軽みとブラックな内容が後引く1冊。
クレヨンハウス(2011)
私的推奨年齢 3歳~
絵のタッチ 無表情な動物たちがなんだか怖い
こげ茶と赤のみで描かれる、無表情な動物たちが独特なオーラを放っていてなんだか怖い。主役のクマさんはマジでサイコパス顔ですw
ストーリー くまさんが失くしてしまったお気に入りの帽子を探す話。
お気に入りの帽子を失くしてしまったくまさんは、他の動物たちに「ぼくのぼうしどこいったん?」と聞いてまわります。でもだれも帽子の在りかを知りません。「見つかれへんかったらどないしよう」と落ち込むくまさんに、鹿さんが「どんな帽子?」と尋ねます。「赤こうて、とんがってて…」と説明するうちに、くまさんはさっき帽子なんて知らないと答えたうさぎさんが帽子をとった犯人だと気が付きます。そもそもうさぎさん、くまさんに帽子のことを聞かれたとき、思いっきり帽子かぶってるしめっちゃ挙動不審だったんです。うさぎに詰め寄るくまさん。次の場面ではくまさんは帽子をかぶっています。りすさんに「ぼうしかぶったうさぎ、どこいったん?」と聞かれたくまさんは答えます「し、しらんよ。なんで僕に聞くん?うさぎなんてしらんで?さわったこともないわ~」・・・めっちゃ挙動不審。
「くまさんが帽子を探す話」というととても可愛らしい感じですし、関西弁に訳されているせいもあって、ほんわかムードでお話は進んでいます。でも最後の方になって、「あれ?うさぎは一体どこへ消えたの?」ってところから世界が変わる、ちょっとブラックなお話。その切り替わりがオセロのようで面白いです。昔話とか童話って結構残酷なものが多いですけど、その流れをくんでいるというか…。うちでは2歳の頃から読んでいましたが、お話の意味が分かるようになってきたのは3歳以降です。「うさぎさんどうなっちゃったんだろうね?」と聞くと、凄い笑顔で「きっと食べられちゃったんだよ~!」と答えます。子どもってちょっと残酷なお話も好きなようです(;^ω^)
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『からすのパンやさん』
絵本ってママと子どもの世界なことが多いんですけど、これはイクメンパパが活躍するお話。
偕成社(1973)
作・絵 かこ さとし
私的推奨年齢 4歳~
絵のタッチ クラシック
昔の手描きの看板みたいな雰囲気があります。日本酒のCMキャラクターにいそうなカラスたちが表情豊かで可愛いです。美味しそうな、ユニークなパンの絵もいっぱい出てくるので、パン好きな息子たちも大喜びです。
ストーリー からすのパンやさんが家族の力で貧乏を乗り越える話
パン屋を営むからすの夫婦のもとに四つ子の赤ちゃんが生まれます。夫婦そろって赤ちゃんのお世話に一生懸命になるあまり、パンを焦がしたり、お店が散らかったままになってしまったため、お客さんが段々減り、カラスの一家は貧乏になってしまいます。
しかし四つ子ちゃんがおやつに食べていた売り物にならないお焦げパンがきっかけで、カラスのパン屋さんは再び人気店になっていきます。
私は家族の絆で貧乏を乗り越える感動のヒューマンストーリーだと思っていますw
1970年代というと高度成長期で男は外で仕事!みたいなイメージなんですけど、このパン屋さんのパパは家業を傾けてしまうほど子育てに一生懸命で、こういうパパ像って珍しくて面白いな、と思います。そうやって一生懸命子どもたちと向き合ったから四つ子ちゃんはおやつがお焦げパンでも不満に思わず、友達に宣伝し、パン屋さんの再生につながったのかな、と。「武装警官の一連隊」なんて言葉も出てきて、そういうところは70年代という時代を感じるんですけど、描かれる家族の姿は凄く現代的でそういうギャップが面白いです。内容は分かりやすくて3歳くらいから読んでたんですけど、文がかなり長くて、集中して聞ききれるようになったのは4歳くらいからでした。
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『ラチとらいおん』
私は「男の子だから強くなりなさい」とか「男は泣いちゃダメ」みたいな教育をする気はサラサラないんですけど、幼稚園に行くようになって同い年の友達との交流が増えると、自然に「強くなりたい」という気持ちが芽生えてくるようです。そんな強くなりたい子どもたちに読んであげたい1冊です。
福音館(1965)
文・絵 マレーク・ベロニカ 訳 とくなが やすとも
私的推奨年齢 3歳~
絵のタッチ おしゃれなイラスト
シンプルな線と赤・黄・緑の3色で描かれている絵はとてもおしゃれで、雑貨やポスターにしたい感じ。
ストーリー 弱虫な少年がライオンと共に強く成長していく話。
ラチは弱虫な少年。友達さえ怖くて、家で絵本ばかり読んでいます。強そうなライオンの絵を見ては、「こんなライオンが側にいてくれたら、何にも怖くないのになぁ」と思っていました。そんなラチの前に、小さなライオンが現れ、「ぼくが君を強くしてあげる」と言い出します。ラチはライオンと一緒に体操をしたり、色々な困難を乗り越えるうちにだんだんと強い少年に成長していきます。ある日友達がいじめっこに奪われたボールを取り返しすことができたラチは、一緒にいると思っていたライオンがいないことに気が付きます。ライオンがいなくてもラチはいじめっこに立ち向かうことができたのです。ラチが家に帰るとそこにはライオンからの別れの手紙がありました。十分に強くなったラチにはもう自分は必要ないから、また他の子どもの所へ行って強くしてあげるんだ、という内容でした。
うちの子たちは特別泣き虫ではないけれど、泣き虫のラチくんに自分たちを重ねるところがあるようです。子どもの世界には大人にはわからない大変なことがあるんでしょうね。不安なときに側にいて支えてくれるライオンのような存在がいたらいいなぁと思っているようです。いや、むしろ私も欲しいです、ライオンのような存在。。泣き虫な子にも、そうじゃない子にもオススメです。
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『いただきまあす』
今日ママ友が「下の子が1歳9か月なんだけど、お皿や食べ物を投げられて大変」という話をしていました。思い返してみればうちの子たちの食事風景も、1~2歳のころは悲惨でした(;^ω^)お皿は投げなかったけど、軟飯おにぎりは投げられました。スープをテーブルいっぱいに塗りのばされたりもしました。昨日まで喜んで食べていたものを突然泣いて嫌がるようになったり。。そんな時代に良く読んでいた絵本です。
福音館(1980)
文 渡辺 茂男 絵 大友 康夫
私的推奨年齢 1歳~
絵のタッチ 優しい色鉛筆画
色鉛筆で描かれたような、優しいタッチ&色彩の絵がほのぼのした世界感にぴったり。
ストーリー うまくご飯を食べれられないくまくんのお食事風景
くまくんが食事をしようとしています。メニューはサラダにスープにスパゲッティ、パンなど。でもくまくん、まったくうまく食べられません。スープはこぼすし、スパゲッティは口まで運べないし、パンをフォークで食べようとして顔に刺してしまうし、ジャムはテーブルにぶちまけてしまいます。くまくんは考えて、全部のメニューを同じお皿に乗せて、まぜまぜして、手で食べることにしました。最後はテーブルの上に座ってご満悦のくまくんでした…。
うまく食べられるようになるところまでは描かれません。食卓が大惨事のままお話は終わります。でもここまでメチャクチャだと、逆にスッキリするんですよね。1歳だったうちの双子は「うっわ~・・・ひどっ」ってちょっと唖然として聞いていたので、私は内心「君たちの食べ方も大して変わらないよ?」と笑っていました。双子だとひとりを手伝っている間に死角で片割れが悪さするんですよ。。そんな双子も2歳過ぎて少し(本当に少しだけ)食べるのが上手になってくると、くまくんに対して得意げに「そんなのダメだよ~!」「ちいちゃんのほうが上手だよね!?」なんて言っていました。今となっては懐かしいけれど、二度と戻りたくない時代です(;´・ω・)
離乳食完了期くらいのお子さんの滅茶苦茶な食べっぷりにイライラしがちな方にオススメしたい1冊ですw
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『おおきな木』
今日は大人向けの絵本です。
あすなろ書房(2010)
作 シェル シルヴァスタイン 訳 村上 春樹
私的推奨年齢 大人
絵のタッチ 黒の線で描かれたシンプルな絵
表紙以外はすべて黒い線のみで描かれています。すごくシンプル。だからこそ物語がすーっと入ってくる。
ストーリー 大きな木と少年の歴史
小さい少年は大きな木が大好きで、木登りをしたりして、いつも一緒に遊んでいました。しかし少し大きくなると少年は木から遠ざかっていき、たまに木のもとにやってきては様々な要求をします。「もう木登りなんてしないよ。お金が欲しいんだ」と言われれば、売るためのリンゴの実を、「家を建てたいんだ」と言われれば枝を、「遠くに行くための船が欲しい」と言われればその幹を差し出します。最後少年は年老いて木のもとに戻ってきて…。村上春樹さんの和訳も美しい1冊です。
この本は読む人によって本当に受け取り方が様々だと思います。ご両親との関係に心理的負担のある方は閲覧注意かもしれません。私は両親が共働きで母との相性があまりよくない子どもだったので、ほとんど祖母に育てられました。祖母は自己実現とか自分らしい人生なんてことは考えもせず、家族のために、子どもや孫たちのために生きてきた人なので、少年のために自らを与えつくす大きな木と重なりました。無償の愛を注いでくれる人が自分にもいたからここまで大きくなれたんだな、と改めて気づいて感動しました。私自身は未熟で怒りんぼで100%子どものためには生きられない母なので大きな木に自分を重ねることはできせんが、人によっては大きな木とご自分が重なることもあるでしょう。私もこの木のように、成長とともに離れていくだろう子どもたちを受け入れ、見守れる母になりたいと思います。
子どもたちよりも大人にこそ読んでほしい1冊です!
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